ネットオークショントラブルは事前知識で回避! 対処&予防策まとめ
近年ではネットオークションやフリマサイトの利用者が急増しており、それにともないトラブルも目立ってきています。「トラブルが怖いから使わない」のではなく、トラブルの原因・具体的な事例・回避方法・対処策を理解し、安全に使うことが大切です。そこで今回は、ネットオークションの初心者だけでなく、使い慣れた人でも忘れがちな心構えなどについてご説明します。
- ネットオークションの利用状況について
- ネットオークションにはトラブルが多い?
- よくあるネットオークショントラブル事例
- ネットオークションでのトラブル回避方法
- ネットオークションでトラブルにあったときの対応策
ネットオークションを安全に使うためのコツや、利用前に知っておきたいポイントをまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.ネットオークションの利用状況について
まずは、ネットオークションについて、基礎的な情報を見ていきましょう。
1-1.ネットオークション利用率は約38%
ヤフオク・モバオクなどのネットオークションと、メルカリ・ラクマ(旧フリル)などのフリマサイトを利用したことがあると答えた人の率は以下のとおりです。
- 20代:約47%
- 30代:約36%
- 40代:約33%
- 50代以上:30%
1-2.ネットオークションのスマホ利用が増えてきている
数年前まではパソコンで行うのが主流でしたが、近年ではスマホアプリやスマホからのブラウザアクセスによる利用が増えてきています。そのため若年層が手軽に使うという機会も増えてきているでしょう。
2.ネットオークションにはトラブルが多い?
なぜ、ネットオークションにはトラブルがつきものなのでしょうか? 原因を見ていきましょう。
2-1.ネット経由のやりとりのため食い違いが生まれやすい
ネットオークションでは、基本的にはネットを介した文字だけのやりとりのため、どうしても食い違いが生まれてしまうことがあります。伝えたつもりが伝わっていなかった・写真がよく写っていなかった、といったこともよくあるでしょう。
2-2.利用者の増加により悪質な利用者も増えている
利用者の全体数が増えることで、悪質な利用者や、(悪意はなくても)問題のある取引をしてしまう利用者も自然に増えていきます。前者の場合は、偽装のメールアドレスや電話番号を設けていたり、ネットオークションの規約を上手に利用していることが多いため、対応が難しいことが多いでしょう。
2-3.若年層・スマホ世代の利用者が増えてきている
2015年より、ヤフオクの年齢制限が18歳以上から15歳以上に引き下げられました。スマホを利用したネットオークション利用者が増えているのも、トラブル増加の原因の一つといえるのです。ネットリテラシー(ネットを利用する上でのセンスのようなもの)の低い傾向にある若年層の利用者が、ネットオークションを利用した場合、普通なら気付けるような”怪しさ”や”危険性”に気付くことができないでしょう。また、詐欺の手口も向上しているので「自分は大丈夫」と思っている人も油断は禁物です。
3.よくあるネットオークショントラブル事例
次に、よくあるネットオークショントラブル事例をいくつかご紹介します。
3-1.商品が思っていたものと違う(購入時)
無事に商品が届き、確認したところ掲載されていた写真や説明と違う、といったトラブルです。まったく違う商品が入っている・型番や細かな種類が違う・傷や汚れが想像よりも多いなど、パターンはさまざまになります。
3-2.商品が届かない(購入時)
入金を終えたのに、商品が到着しないトラブルです。発送連絡がない・発送されたのに届かない・追跡番号が登録されていない、などのパターンがあります。ヤフオクの場合、支払いから8日たつと報告用リンクが表示され、運営に報告することが可能です。しかし、支払いから12日以内に報告しないと入金処理が完了してしまうので、日程はシビアにチェックしてください。
3-3.入金されない(出品時)
落札されたのに入金されないことがあります。基本的には、入金を確認してからの商品発送となるので、「送ったのに入金されない」ということはあまりないでしょう。いつまでも入金されない場合は、購入者都合として落札をキャンセルすることが可能です。その場合、出品者の評価には影響はなく、落札者のほうに「非常に悪い」の評価が付くことになります。
3-4.クレームを受けた(出品時)
ネットオークションでは、どうしても出品者と落札者では商品の状態などについて思い違いが発生してしまうことがあります。特に、中古出品の場合は、基本的にノークレームノーリターンとしたほうがよいでしょう。また、傷みや汚れ・使用感があることを理解した上で購入してもらうことが大切です。傷や汚れを隠して出品した場合は、出品者に落ち度があり、低評価を付けられても仕方ないでしょう。
3-5.音信不通になってしまった
出品者や落札者から返信がなくなってしまうことがあります。1週間以上連絡がない場合は、催促の連絡をしてもよいでしょう。詳しい方法については後述します。
4.ネットオークションでのトラブル回避方法
次に、ネットオークションでのトラブルを事前に回避するためのポイントをご説明します。
4-1.評価数の条件を設定する(出品時)
出品時には、購入者にしきいを設けることができます。低評価が多い人や評価がない人(新規アカウント)の購入を防ぐことができるので、一つのバリアにはなるでしょう。
4-2.相手の評価数をチェックするだけでは不十分
取引相手の評価数をチェックするのは当然ですが、評価している人のこともランダムにチェックしましょう。業者や空アカウントによる高評価が多い場合は注意してください。
4-3.商品情報は詳細に(出品時)
クレームや思い違いを避けるため、商品の情報は詳細に記載します。メーカー・型番・状態の説明はしっかり記載しましょう。高く売ろうとして良く書きすぎないのがポイントです。本体が新品状態でも、箱や外装に傷や汚れがあることを嫌う購入者もいることを覚えておいてください。また、傷や汚れはアップで撮影し「どこにどんな傷があります」と記載すると、あとでクレームになるリスクを減らせるでしょう。「中古品のためノークレームノーリターンでお願いします」と記載するのも定石です。
4-4.オークション外で取引しない
オークションシステムを利用せずに取引することは禁止されています。オークション外での取引を持ちかけられたときは断固拒否し、運営に報告してください。
5.ネットオークションでトラブルにあったときの対応策
次に、ネットオークションで万が一トラブルにあってしまった際の対処法についてご説明します。
5-1.出品者・落札者と連絡が取れない場合は?
再度取引ナビで連絡をし、それでも返信がなければ連絡掲示板を使って連絡しましょう。連絡掲示板は全体に公開されるやりとりなので、個人情報などは掲載しないように注意してください。連絡掲示板でも連絡が取れなければ、評価欄を使います。相手に対する評価を「良い・どちらでもない・悪い」で評価することが可能です。いったん「悪い」で評価しておき、コメントで返信が欲しい旨・取引が無事に終わったら評価し直す旨を伝えます。
5-2.詐欺にあったかもしれない
何度も試したが連絡が取れない・やりとりが平行線になってしまった・詐欺にあったかもしれない、という場合は以下の手続きを行うことが推奨されています。
5-2-1.内容証明郵便を送る
相手に督促をしたという証拠を公的に残すことができます。相手に対応の必要性を認識させることができるでしょう。詳細はこちらをご確認ください。日本郵政のサイトより、内容証明サービスを受けることもできます。
5-2-2.少額訴訟制度を利用する
60万円以下の金銭の支払いを要求することができます。各地の裁判所で手続きを行うことになり、弁護士に依頼しなくてもよいのですが、初めての利用の場合は依頼して代行してもらったほうがスムーズでしょう。
- 訴状
- 申立手数料
- 相手方へ書類を郵送するための郵便切手
- 添付書類など
また、実際に裁判を起こさなくても、訴訟の準備が整っていることを伝えるだけでも、効果があるといえるでしょう。
5-2-3.警察へ被害届を出す
警察へ被害届を出すことができます→警察庁 サイバー犯罪対策
以下の情報が必要になりますので、事前に用意しておきましょう。
- 対象となったオークションID
- 相手方のYahoo! JAPAN ID
- 送金先の銀行名、口座番号、あて先(商品送付の場合には送付先住所、あて名)
- 送金(または商品の送付)を証明する書類の写し
- 相手とのメールの交換記録(メールの記録は、ヘッダー情報を全部表示して印刷する)
- 具体的な状況を説明するメモ
こちらも、被害届を出す準備があることを伝えるだけでも効果があります。
5-2-4.未着・未入金トラブルお見舞い制度を利用する
規定を満たす場合は、ヤフオクの未着・未入金トラブルお見舞い制度を利用することができます。制度の利用には審査が必要ですので、上記のリンクからご自身の状況を入力してください。
まとめ
ネットオークションのトラブル事例や対策・予防方法・詐欺にあった場合の対処法などをご紹介しました。ネットオークションは、安全に利用すれば大変便利なものです。トラブルの危険性が潜んでいることを意識した上で、正しく慎重に利用しましょう。