相続放棄をした場合、遺品整理ができない? その理由を詳しく解説!

遺品整理と相続放棄 遺品整理

「相続放棄を考えているが、遺品整理ができなくなると聞いて悩んでいる」という人はいませんか?
「相続放棄」とは、法定相続人が財産を相続する権利を放棄することです。

財産というと現金や土地家屋などのイメージがありますが、家具・家電や趣味の品なども財産と認められることがあります。
そのため、不用意に遺品整理をすると相続放棄が認められなくなるケースもあるのです。

そこで、今回は相続放棄を考えているならば、遺品整理を慎重にしなければならない理由を解説します。
この記事を読めば、相続放棄をするメリットやデメリット、相続放棄をした場合の遺品整理方法なども分かります。
相続放棄をするかどうか悩んでいる人は、この記事を読めば判断の参考となると思います。

相続放棄をすると遺品整理ができなくなる理由

遺品整理

遺品整理とは、故人が残した土地家屋や現金、有価証券以外の持ち物を整理することです。
遺品は財産ではないのになぜ整理をしてはいけないのか、この項ではそれを説明します。

相続放棄をすると財産に関する一切の権利を失う

法定相続人が相続放棄をすると、財産に関する一切の権利を失います
相続放棄をすれば現金や土地家屋、有価証券といったものはもちろんのこと、美術品など高値で売却できる可能性がある品を「形見」として相続することもできません

遺品整理は財産を受け継ぐ意思があるとみなされる

遺品整理をすると、「財産を受け継ぐ意思がある」とみなされてしまいます
「資産価値のない遺品ばかりを整理するのに」と思う人もいるかもしれません。
しかし、処分した遺品が「本当に資産価値がないものだった」ということを証明するのはとても難しいものです。
ですから、「遺品整理をした」というだけで「財産を受け継ぐ意思がある」と判断されても反論することができず、相続放棄ができなくなる可能性が高いでしょう。

形見分けもしないほうが無難

遺品整理と形見分け

形見分けとは、故人が愛用していたものや使っていたものを遺族や故人の友人で分けることです
日本では昔から行われてきたことなので、「相続放棄をしても形見分けくらい」と考えている人もいるでしょう。
しかし、形見分けも遺品整理と同様に高値で売却できる可能性があるものをもらった場合、財産を相続する意思があると考えられてしまいます。
ですから、相続放棄をする場合は、「形見分け」もできる限りしないほうがいいでしょう。

相続放棄をすれば遺品整理はしなくていいの?

遺品整理

では、相続放棄をすれば遺品整理は誰が行うのでしょうか?
その一例や注意点をここで紹介します。

相続財産管理人を選定し、管理を任せる

相続放棄をすれば遺族に財産管理の義務はなくなります
しかし、何らかの理由で遺品整理をどうしてもしなければならない、という理由が出てくることもあるでしょう。
この場合、裁判所に「相続財産管理人の選任」を申し立て、裁判所に管理人を選任してもらいます。
弁護士が選任されることが多いでしょう。
この管理人が遺品整理を行います
相続財産管理人の選任方法はリンク先のページを確認してください。

賃貸物件の保証人になっていた場合の対処法

故人が住んでいた賃貸物件の保証人になっていた場合、原状回復の義務が生じます
そのため、「遺品整理をしない」という選択ができないケースもあるでしょう。
相続財産管理人の選任をする余裕があれば、裁判所に申し立てて管理人が決まったら、その人に遺品整理を任せましょう
ただし、孤独死など早急に対処が必要な場合は、特殊清掃や遺品整理を行っている業者に依頼し、相続放棄をする予定があることを説明して作業をしてもらう方法があります。
優良な遺品整理業者は、いろいろな事例を知っているので、臨機応変に対応してくれるでしょう。

法律相談を利用してみる

「遺品整理をしたので絶対に相続放棄が認められない」ということはありません
しかし、「遺品整理をしてもいいもの」と「遺品整理をしてはいけないもの」の区別も曖昧(あいまい)です。
「相続放棄をしたいが、遺品整理も求められている」という場合は、相続問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
また、自治体で開催される法律相談などを利用する方法もあります。

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